TBWA\HAKUHODOが企画・開発した、 ホタテ貝殻からできた環境配慮型ヘルメット「HOTAMET」が 2023年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」を受賞

27 October 2023

TBWA\HAKUHODOが企画・開発した、ホタテ貝殻からできた環境配慮型ヘルメット「HOTAMET/ホタメット」が、2023年度 グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。


グッドデザイン賞審査委員による評価コメントは以下です。
「日本一のホタテ水揚げ量を誇る村では、年間約4万トンもの貝殻廃棄と、廃棄された貝殻による土壌汚染が問題となっていた。HOTAMETはこの課題を素材から解決する転換のアイデアであり、サスティナブルの方向性を新たに切り開いている。リサイクルや、量産されるモノのサプライチェーンが見えづらいという社会課題にも応えた製品でもあり、貝殻から炭酸カルシウム、そしてヘルメットへと姿を変えるHOTAMETは、生産やその環境がスッと腑に落ちる素直な生まれ方をしていて共感が持てる。フォルムや素材感、カラーラインナップに至るまでが「自然」に感じられ、モノがしっかりと語っている製品だと感服した。」


【HOTAMET / ホタメットとは】
外敵から身を守ってきた貝殻が、人と地球を守るために生まれ変わる。国内の水産物の中でも輸出額が最も多いホタテ。一方、ホタテを加工した後、水産系廃棄物としての貝殻地上保管による環境への影響や堆積場所の確保などが社会課題となっていました。甲子化学工業株式会社とTBWA\HAKUHODOは、ホタテ貝殻を廃棄物ではなく、新たな資源に変えることに挑戦しました。
ホタテ漁師は、日常的にヘルメットを着用して、危険から身を守っています。また、日本では地震など災害リスクが高いことから、漁師に限らず、より多くの人たちの安全を守るものとして、ヘルメットは防災グッズの定番です。そこで、ホタテ漁師や日本人が被るヘルメットを、漁師たちが獲ったホタテの殻から作り出すことにしました。その時に注目したのが、ホタテ貝殻の主成分と構造でした。貝殻は「炭酸カルシウム」というセメントなど、強度を高めるために様々な加工に使われる汎用性が高い成分で構成されています。また、過酷な自然界を生き抜く貝殻は、高い強度を発揮する構造物でもあります。この2つの着眼点から生まれたのがHOTAMETです。
特筆すべきは、デザインです。自然界の仕組みを応用し、技術開発に活かす「バイオミミクリー」という考えに基づき、素材の一部であるホタテ貝の構造を模倣した、特殊なリブ構造をデザインに取り入れています。その結果、少ない素材使用量でありながら、リブ構造が無い場合と比較して、約33%も耐久性を向上。素材開発から、設計に至るまで、環境への負担が少なく、サステナビリティに配慮したプロダクトになっています。


【HOTAMET / ホタメット 協力会社】
・プロダクトデザイン: quantum
・製品開発: 甲子化学工業株式会社


【HOTAMET / ホタメット 関連ページ】
・公式サイトURL:https://koushi-chem.co.jp/hotamet/
・プロダクトムービーURL:https://youtu.be/_9k2elL3btI